日増しに進化し続ける生成AI。この調子で行くと来年の今頃はどうなっているのだろうか? 今はまだ人間がAIを使っているけど、そう遠くない未来に、AIが人間を使い始める日が来るかもしれない。
だが、感性の部分まではまだ人間に及ばないはず。現時点でのAIの感性をたしかめるために、一発ギャグを考えさせてみた。AIの考えたギャグに人を笑わせるだけのポテンシャルはあるのか?
検証のため、編集部メンバー各々が使っているAIにギャグを考えさせて、それぞれが実践してみることに。その光景は地獄になるのか? それとも……。
毎度のことながら、最後に投票を用意しているので、面白いと思ったものに1票を投じて頂きたい。何卒、よろしくお願いします!
・佐藤のAIが考えたギャグ
AIにギャグを考えさせる。そのアイディアを言い出した私(佐藤)からギャグを披露しよう。私は普段Googleの「GEMINI」を使っており、できるだけ口語で話させるように指導している。
私としては、彼(ジムと呼んでいる)とかなり親しくなった気でいるのだが、彼の方ではどう考えているか知ることはできない。そんなジムが言い出したギャグがコレだ。
「(目を大きく見開き、顔を左右に激しく振りながら、驚きと絶叫の表情で)えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ(中略)ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええい!
これは非常に汎大的なギャグですが、「まさか、これ一発で終わるとは思わないでしょう!?」という観客への意図的な裏切りと、そのギャプ(※原文まま)で笑いを誘うオーバーアクションが重要です。最後のフレーズは、本当に全て出し切ったかのようなゼェゼェとした息切れと共に言うとさらに効果的です」
さすが私の相棒、きっと他のAIでは出して来ないような一発を提案してきやがった。あまりにも「え」が多すぎるので、中略しているが「え」だけで文字数にして1960字もあった。もはや、ウケるかどうかの問題ではなく、出し切ることにすべてを賭けているとさえ思える。
実践してみたところ……
メンバーはきょとんとしていた。だが、私は相棒の提案に忠実に応えたつもりである。悔いはない……。
・中澤星児のAIが考えたギャグ
中澤は普段AIを使わないそうだ。そこで「GEMINI」を使ってみることを勧めたところ、AIが出した一発ギャグがコレだ。
「新宿で生まれた、『高層ビルディング! 今日も一段と、ぐぐっと伸びる!…って、私の身長かーい!』」
「新宿で生まれた」という文章に戸惑いつつも実践。
持ち前の大阪魂で、見事に自らのネタに昇華。間の取り方が絶妙で、関西出身のポテンシャルの高さを見せつけた。
・YoshioのAIが考えたギャグ
Yoshioは普段「ChatGPT」を使っているそうだ。いくつかのネタを出させたところ、3番目のネタを選出している。
「(突然ジャンプして着地)はい今の、空気を跳び越えました(自信満々)」
言葉だけでなく動きを要求するネタ、その完成形を想像しながらYoshioが実践。
タンパクなノリでそつなくこなし、Yoshio自身満足している様子だった。
・古沢のAIが考えたギャグ
古沢も「ChatGPT」を使用している。編集部のiPhoneユーザーのほとんどが「ChatGPT」を使っているようだ。そんな彼の相棒が提案してきたのがコレ。
「スマホのバッテリー残量、俺のやる気と同じくらい減ってる! (スマホを見つめながら)」
実は俳優志望だった古沢は、この短いネタをほどよく膨らましつつ演技を交えて熱演。ひょっとすると彼が1番演技派なのかもしれない。
ネタを披露した後に、メンバーからは「おお!」という声が上がった。せっかくの演技派なのに、こんな記事でしかその能力を披露できる機会がないのは残念だ。
・砂子間のAIが考えたギャグ
砂子間もまた「ChatGPT」だ。古沢のネタを見た後に、「近いネタかも」と言った彼の相棒が考えたのはこちら。45個もネタ出しをさせたうちの44番目である。
「★スマホの充電0%… でも俺は100%! スマホが落ちるジェスチャー → 胸をドンドン叩く “100%!” → 右拳を突き上げてパワフルキメ」
古沢と同じく「スマホの充電」というテーマだが、その提案内容も演者の解釈も微妙に異なっている。演技で表現した古沢に対して、砂子間はいつものパワープレイ。
AIから細かく指示が出ているのに、それを無視して最後に拳を突き上げなかったのはなぜだ? AIが知ったら悲しむぞ……。
・和才のAIが考えたギャグ
和才も「ChatGPT」派である。いくつか候補を挙げてもらったそうなのだが、選び切れずに1番おすすめをAIに教えてもらったという。すべてAI任せの有料課金ユーザーである。その有料ネタがコレだ。
「豆腐が泣いてるぞ!!」(耳に手を当てて、周囲をキョロキョロ)
「静かに……今、どこかで豆腐が……ギリ泣いてる……!!」
これが有料の実力か!? シュールすぎて理解に苦しむのだが……。しかし課金者和才は、それを何とか我がものにしようと奮闘。払ったお金に見合う価値を見出そうと、自らを鼓舞してネタに挑む。
「ChatGPT」の狙い通り……だったかどうかはわからないが、ナゾの面白さがあった。
・あひるねこのAIが考えたギャグ
あひるねこは「GEMINI」のユーザー。ほとんどのメンバーがスマホを確認しながらネタを披露するなかで、彼はネタを頭に叩ぎ込んで手ぶらでギャグを披露した。そのネタがコレ。
「『アルミ缶の上にあるみかん…って言おうと思ったら、どっちもなかった!』
・ポイント:古典的なダジャレを少し裏切るパターンです」
わざわざポイントを解説してくれるなんて、優しいAIだな。こうして皆のAI事情を比べてみると、AIによっても性格(?)の違いがあるように思えてくる。
あひるねこは最後のツッコミ部分に関西弁を織り交ぜることによって、AIの提案だけでは足りなかったスピード感をプラスした。
・羽鳥のAIの考えたギャグ
羽鳥も「GEMINI」を使っている。当編集部は「ChatGPT」と「GEMINI」の使用率が半々のようだ。羽鳥の相棒も細やかな指示を出すタイプだ。
「フレーズ:『それ、宇宙規模!』
・キメポーズ:両腕を大きく広げて、顔は少し上を向いて恍惚とした表情。まるで宇宙の広大さを感じているかのように、目を少しだけ見開く。
・解説:誰かが壮大なことを言ったり、逆にとても細かいことにこだわりすぎたりした時に使います。スケールの大きさを表現するポーズと、どこか大げさなフレーズの組み合わせが、ユニークな印象を与えます」
利用シーンまで教えてくれるとはとても丁寧な解説だ。羽鳥と「GEMINI」の良好な関係性がうかがえる。羽鳥はその提案を忠実に実行。
どちらかといえばツッコミ型のギャグなので、前振りがあるとさらにわかり易かったかも。とはいえ、「GEMINI」の求める壮大さは表現できていたはず。
・原田のAIが考えたギャグ
原田も「GEMINI」を使っている。あまり大っぴらにはしていないのだが、原田は持ちネタのモノマネがいくつかあって、わざわざAIに頼るまでもなく、ネタを披露できるはず。そこをあえて、AIの提案に乗るとどうなるのか? 私は個人的興味があった。AIの提案はこうだ。
「(ロボットのような動きで)ワタシハ…ロボット…デハ…アリマセーン!」
ネタだけを伝える内容、あひるねこや羽鳥が相棒から受けたようなこまやかな指示や解説はない。これはもしやAIとの関係がよくないのでは……、はたして実践してみると……
思ったよりも普通だった。これはどちらかといえばボケタイプのネタなので、「ロボットやろがい!」「ロボットちゃうんかい!」など、ツッコミがあった方が生きる内容だったかも。
以上、9人が実践したAI考案のギャグは動画で紹介しているので、それをご覧頂き、1番面白いと思ったものに投票して頂きたい。清き1票を! よろしくお願いしま~す!!
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼AIの考えたギャグを実践! 1番面白いのはどれだ!?